DVDレコーダーって


このところ売れ行きがめっきり鈍化しているらしい。メーカーサイドでは、操作の煩雑さがAVマニア以外の一般ユーザーへ浸透を妨げている、あるいはコピーワンス問題が購入のブレーキになっているとの見解らしいが、もともと製品の性格からしてビデオデッキほど売れるもんじゃないでしょ。なんたって主要メディアのDVD-Rという媒体があまり魅力的じゃない。何度でも使えるビデオテープに比べて、一度しか焼けない、しかも失敗するとゴミ箱行き、というのでは庶民感覚からすると大変使いづらい。価格的には1枚ン十円で国産メーカーの、そこそこ質のいいDVD-Rが買えるようになったので、以前と比べると断然使いやすいのだけど、どんなに安くなっても、あのキラキラ光るメタリックなメディアをポイ捨てするのは気が引ける。


さらにDVD-Rには、保存メディアとして致命的な問題を抱えている。数年後、いや数ヶ月後だって、100%の状態で再生できるとは限らないからだ。再生が途中で止まったり、ブロックノイズに見舞われたりすることは実は少なくない。特に録画したレコーダー以外のプレーヤーでの再生には?マークがつく。大体が、焼いたDVDをすべて最初から最後まで観る人は少ないだろう。録画中やあるいはハードディスク内にデータがあるうちに観て、お宝、コレクションとしてDVDに保存する。再びその作品に目を通すのは、何ヶ月後か何年後かで、はたしてそのDVDに問題が生じているかなんてことは知るよしもないわけだ。しかもそのとき、手元にあるプレーヤーは録画したレコーダーとは別メーカーの製品かもしれないわけだし。


うちの場合、現在レコーダーは3台あってうち現役が2台で、プレーヤーと呼べるものがその2台を含めて9台で現役が7台ある。3台のレコーダーで焼いたものが、他のプレーヤーで問題を起こすことは実はけっこうあって、その都度ガックシくるのである。特に昔の安物DVD-Rメディアに焼いたものはひどい(安物買いの銭失いとはよく言ったものだが、その当時の高価な国産メディアで焼いたモノが再生不良だったら、もっと大きなガックシなんだろう)。あくまでも個人的な感覚だけど、最近の国産メディアであってもDVDレコーダーで焼いたものは弱い。Macで焼いたものは案外強い。もちろんこれはあくまでもワタクシんちの環境での話であって、たまたまそういう結果がでただけなのかもしれないし、おそらく普通のお宅の何倍もDVDレコーダーを酷使しているし、Macのドライブは割と最近取り替えたばかりだからかもしれない。その辺の因果関係というか、うまく再生できない時の理由がはっきりしない点もDVD-Rというメディアの困ったところなんである。


使い勝手で言うと、とりあえず何度でも書き込みができるDVD-RAMの方が使いやすいし、保存性も高い気がする。ただDVD-RAMにはDVD-Rのような汎用性はないし、価格も高い。いっそディスクに保存することなどやめてしまえばいいのだろうが、まぁ、今のところ、これが生きる楽しみのひとつなんで、そうもいかない。そんなわけで、ブルーレイなどの次世代のメディアにはまるで興味がなかったが、もしブルーレイなりなんなりが、DVD-Rの弱点を克服しているのなら、そして価格がこなれてくれば、もう一回メーカーの言いなりになってみてもいいかなと思い始めている今日この頃なのです。